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安倍総理のケネディスクールでの講演

 昨日、安倍総理がケネディスクールに来て、講演を行いました。チケットの競争率は相当高かったようで、僕のケネディスクールでの多くの友人たちは抽選漏れをしていました。朝8時30分に開場だったのですが、歩道からはみ出るくらいに長蛇の列ができていました。厳戒な警備体制がとられ、主催者側の緊張感も伝わってきました。これまで、ケネディスクールでは、ガーナの大統領(以前の記事)やニジェールの大統領、チュニジアの首相などが来ましたが、それらと比べても、警備が厳戒だったと思います。講演の中身も、ディビッド・エルウッド(David Ellwood)ケネディスクール学長や、ソフトパワーで有名なジョゼフ・ナイ(Joseph Nye)教授、キャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)駐日大使がスピーチを行うなど、ケネディスクール側も、これまで講演を行ってきた国家首席と比べても、破格の待遇で迎えているという印象を受けました。

 安倍総理は、日本語で講演をされ、それに英語の通訳が入る形になりました。日本が頼りがいのある国になることはアメリカの利益になる、また、日米同盟を強化することが、アジア地域と世界の利益につながるというメッセージが、しっかりと伝わったのではないかと思います。その後の質疑応答は、僕が見る限り、事前に質問が用意されていたということはなく、その場でハーバードの学生たちが自由に質問をして、安倍総理もその場で回答をされていました。自由に質疑応答を受け付けるという点は、ケネディスクールで行われるあらゆる講演で適用されているので、今回も例外なくそれが適用されたのだと思います。中には、アジア諸国との緊張関係をどのように緩和するかや、慰安婦問題についての見解など、センシティブな質問もありましたが、はっきりと日本の立場を主張されていたように思いました。

 この日、ケネディスクール内では、普段はあまり日本に関心を持っていないように思えるクラスメイトたちも、安倍総理の訪米の意義や、日本の経済政策・外交政策について質問をしてきて、日本人としてとても誇らしい気持ちでした。と同時に、日本人を代表して意見を求められることが多く、もっと日本の歴史や、政府の取ってきた対応について正しく理解をしなくてはと思う場面が多くありました。特に、この日は、韓国人学生を中心に、慰安婦問題に関するサイレント・デモンストレーションがケネディスクール前で行われたこともあり、この問題について日本代表として意見を求められることがありました。僕自身、ケネディスクールやハーバードの他学部内に多くの韓国人、中国人の友人がいて、普段は同じ東アジアからの留学生としてかなり親しくしている人も多いのですが、慰安婦問題や戦争責任といった問題になると、彼らは極めて感情的になり、冷静に話し合うのが難しいというのを痛感しています。相手の感情を受け止めつつも、日本の立場はきちんと伝えなくてはと思っています。

 最近、ケネディスクールは凝縮した世界、小さな国連のような場であると感じるようになってきました。ほとんどあらゆる国からの留学生が来ていますし、日常の話題も、国家間の外交関係や国の政策といった大局的な話が多くなります。日々の友人との会話や、授業での一つ一つの発言が、実社会に出て、日本を代表して発言をする時の訓練になっていると感じています。現時点では、正直、知識不足や英語力不足の問題で、日本の立場を正しく伝えることができていない状況です。今後は、自分が「外交官」として日本を代表した存在として見られているという意識を持って、いつ何を聞かれてもきちんと回答できるように、日々日本の政策や歴史について勉強したいと思いました。
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Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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