以前の記事でも書いた、メガン・オサリバン(Meghan O'Sullivan)教授のリサーチ・アシスタントの仕事ですが、5月の期末レポートが終わった12日から26日くらいまでに集中して研究をして、一旦アウトプットを提出しました。アメリカのシェール革命、それがもたらす「エネルギーが豊富に取れる時代(the New Energy Abundance)」が、日本の外交政策や国内の政策にどのような影響を与えているかについて、調査をしました。いくつかの大胆な仮説、例えば、「アメリカのシェール革命によりアメリカはエネルギー自給ができるようになり、結果として中東への軍事的関与を減らす可能性があり、これは日本の集団的安全保障や憲法改正の議論に影響を与えている」、「日本がTPP交渉への参加決定をしたのは、シェールガスをアメリカから輸入する際に必要な政府の手続きをなくせることが大きな要因だった」、「シェール革命により、日本はロシアにエネルギー面で依存しなくて済むようになる、そのため、欧米がロシアに課す経済制裁に日本もより積極的に参加するようになるだろう」といったものについて、日本国内でどのような議論が行われているかを洗い出して、自分なりの回答を作っていきました。
正直、僕はこれまで、こうした小説やノンフィクションを読んで、ストーリーの蓄積を図る努力を怠ってきたなと思います。大学時代から、読書量はそれなりに確保してきたつもりですが、読んでいる本はビジネス本のようなものに著しく偏っていました。もっと読む本の幅を小説やノンフィクションに広げていかなくてはと漠然と思っていたのですが、今すぐやらなくてはいけないという必要性に迫られていませんでした。ケネディスクールに来て、初めて、その重要性を身に染みて理解できました。1月の授業で取ったArts of Communicationsでも、ストーリーを活用することで聴衆の感情(Pathos)に働きかけることが、聴衆を動かす上で重要だということを学びました。(過去の記事)この授業でスピーチを考えていた時も、自分の中にストーリーの引き出しの数が少ないなということを痛感していました。自分の関心の幅を広げて、小説やノンフィクションを読んだり、映画やテレビドラマを見たりといった地道な積み重ねが、面白いストーリーの引き出しの多さにつながってくると思うので、今後、意識してやっていきたいと思います。
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