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インターン一週目が終わりました

 国際原子力機関(IAEA)でのインターンの一週目が終わりました。この一週間で色々なことを感じたので、まとまりのない文章ですが、忘れないうちに書き記しておきたいと思います。

1 インターンの業務
 インターンの業務については、秘密保持契約があるので、細かいことは書くことはできませんが、書ける範囲で書きたいと思います。(まだあまり機微な情報には触れていないので、大体のことは書いて大丈夫かと思います。)インターンには、通常スーパーバイザーが一人ついて、そのスーパーバイザーの指示の下で業務を行います。スーパーバイザーの方針次第で、忙しいインターン生活になる人も入れば、ゆとりのある生活を送る人も出てきます。僕には、イギリス人の女性(40代くらい)のスーパーバイザーがつきました。いつもにこやかで温厚、フレンドリーな女性です。英語も聞き取りやすいですし、コミュニケーション面で全く不満はありません。第一週目の業務については、彼女とも相談し、僕自身が原子力工学のバックグラウンドがないため、関連する文書や用語録(Glossary)を読んで、背景知識を身につけることに専念することになりました。そのため、今週は自分のペースで文献やIAEAの文書を読むだけだったため、かなり時間に余裕がありました。毎朝8時半頃到着し、夕方5時半くらいには帰るという生活でした。実はインターンを始める前から言われていたのですが、IAEAなどのヨーロッパの国際機関で働く人は、夏休みをきちんと取るので、夏の間にあまり大きな動きは起きません。そのため、夏は業務量ががくっと減り、閑散期となります。僕が周りの職員を見ていても、課のDirectorなどはそれなりに忙しそうですが、多くの職員は時間にゆとりがあるように見受けられました。来週以降は、僕のバックグラウンドが活かせそうな分野のIAEAの過去の出版物で、内容の更新が必要になっているものについて、最新の研究などをレビューした上で、更新をするという作業を行う予定です。自分の頑張り次第では、その更新されたIAEAの出版物について、貢献者として名前を載せることもできるかもしれないとのことでした。

 僕自身、日本の職場では、毎日朝から深夜まで働くような職場だったので、今週一週間のゆとりのある生活に、少し拍子抜けしたような面もありました。また、僕自身、予定をどんどん詰め込みたがる傾向があり、ケネディスクールでの一年目も授業や課外活動など、どんどん予定を入れてしまっていました。今年の夏休みは、そうした自分のこれまでの生活から少し趣向を変えて、ウィーンでのゆとりのある生活を満喫したいと思っています。ウィーンの文化を楽しんだり、本を読んだり、映画を見たりといった時間を楽しみたいと思います。と同時に、インターン期間中に原子力エネルギーについて学べるものはきちんと学んで、IAEAの出版物の改訂についても、きちんと名前が残るくらい貢献をしていきたいと考えています。

2 他のインターンとの交流
 IAEAの入っているVienna International Centre(VIC)には、IAEA以外にも、国連工業開発機関(UNIDO)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)などの国連機関が入っています。これらの機関において、僕と同じタイミングで、6月1日からインターンを始める学生が何人かいました。インターン生同士の交流を深めようと、VIC Intern Officeという自主的な組織があり、ビルディング内のUN Barというバーで、マンスリー・コーヒーという昼下がりにコーヒーを飲む企画や、毎週金曜日の夕方に軽くお酒を飲むという交流の機会が設けられています。インターン生は、20代前半から後半くらいの学生が多く、中には学部を卒業して間もない人もいました。また、僕と同じように夏の間だけインターンをするという人もいれば、6ヶ月の契約で、可能であれば延長して一年ほどインターンとして働きたいと意気込む人もいました。

 こうした自分より少し若いインターンとの交流を一週間してみた中で、気づいたことがありました。それは、ケネディスクールで一年過ごす間に、知らず知らずのうちに、様々な国籍・バックグラウンドの人と、初対面において、円滑にコミュニケーションを取るスキルが向上していたかもしれないということです。ケネディスクールでは、常にパーティやイベントが企画されて、ほぼ毎日のように誰か新しい人と会うような生活をしていました。初めは英語の壁もあり、こうしたパーティに出るのが億劫になっていた時期もありました。今でも、そうしたパーティに出るのに腰が重いことがあります。ただ、一年間を通じて場数をこなしてきた中で、初対面の人とでも、他愛もない会話から共通点を見つけて、何とか話をつなげるということが、以前より自然とできるようになってきたと感じました。インターンの平均年齢層が僕より若干若いのにも関係していると思うのですが、そうした初対面のコミュニケーションに慣れていない人も一定数いたので、いつの間にか僕が気を遣って周囲に話題を振ったりといった役割をする場面がありました。

 アメリカに実際に住んでみたからこそ、相手と共通点を見出しやすくなったと感じる場面もありました。例えば、アメリカのミシガン州出身で、UNIDOにインターンに来ているアメリカ人がいたのですが、彼女とは、例えば、「アメリカはファストフードが充実している、チポレー(メキシコ料理をファストフード感覚で提供するチェーン店)やダンキンドーナツによく行く」といった会話ができたり、「ボストンやニューヨークなどの東海岸ではらーめんの人気が高い。ミシガンではどうか。」といった他愛もない話をしました。僕はケネディスクールに留学する直前まで、他国のカウンターパートと国際交渉をするような職場にいたのですが、そのときは、こういった会話はできませんでした。これは、アメリカに実際に一定の期間生活してみて初めてできる会話だと思いました。

 また、ケネディスクールにはありとあらゆる国からの留学生が来ていて、一年間彼らとの交流をしてきたことが、会話の糸口を広げることにつながったと思う場面もありました。例えば、今回出会ったインターンの学生で、チリに5年間住んでいたという人がいました。僕自身、ケネディスクールのMPA2のクラスメイトに仲の良いチリ人が3人ほどいるので、彼らの例を出しながら、「チリ人はノリが良くていいやつばかりだけど、時間を全然守らないんだよね。」といった会話ができたりしました。他にも、インドから来たインターンとは、ケネディスクールのインド人でこんな人がいるとか、ロシアから来たインターンとも、ロスアトム(ロシアの原子力公社)からケネディスクールに留学してきた友達がいるよ、といった会話ができたりしました。

3 ハーバードの知名度
 ハーバードの知名度が思っていた以上に高く、その分期待値も大きいというのを感じる場面も多くありました。これは、ケネディスクールで過ごしていた一年間では気づくことができなかったことです。スーパーバイザーのイギリス人も、ハーバードで学んだ人と会ったことがほとんどなかったようで、僕を部内の関係者に紹介するときにも、「彼はハーバードで勉強しているんだ。」と言って回っていました。様々な国から来ているインターンと自己紹介をし合う場面でも、「今ハーバード・ケネディスクールで勉強している」と言うと、「すごいね。」とか「Congratulations!」という回答が返ってきたりしました。ハーバードにいるからといって特殊な能力があるわけでも全くないのですが、自分に対するハードルが上がっているのも感じます。インターンの業務自体は、上にも書いたとおり、夏は閑散期ということもあり、僕に多くの仕事をすることを求めているわけではなさそうなのですが、それでも、スーパーバイザーは、ハーバードから来ているのだから当然高いクオリティの成果物を出してくるだろうと思っているように感じています。ハーバードという知名度は、高い水準の成果物を出せば、さすがだなとなりプラスに働くと思うのですが、逆に、低い水準の成果物を出せば、なんであいつはハーバードで勉強しているのにこんなに仕事ができないんだとなり、マイナスにも働き得ると思っています。ボストンから離れてウィーンに来てみて、想定していた以上にハーバードという名前が人々に高い期待値を与えてしまうこと、また、それに見合うようなアウトプットを出さなくてはいけないんだというプレッシャーも同時に感じました

4 ドイツ語の必要性
 IAEA内では、職員は皆、英語でコミュニケーションを取っているので、ドイツ語を使う場面はありません。また、観光スポットとして有名なシュテファン寺院やその周辺のレストランなどでは、店員も観光客への対応に慣れていて、当然のように英語を話します。ただ、ローカルなスーパーマーケットなどに行くと、案外英語があまり話せない人も多いです。彼らは、僕に対して、当然のようにドイツ語で話しかけてきたりします。また、ウィーンに来て借りているアパートの大家さんと到着初日に契約書などの手続きをしたのですが、その女性も英語があまり話せませんでした。そのため、英語が話せる妹を連れてきていました。また、一番困ったのは、アマゾンで日用品を注文しようと思ったときです。オーストリアに最も近いアマゾンの支社はAmazon.deというドイツの支社なのですが、このサイトは全てドイツ語で表示されるので、解読するのにかなりの時間がかかってしまいました。こうした日常の様々な瞬間に、ドイツ語ができたら便利だなと思うことがありました
 
 では、これを機に、ドイツ語を真剣に勉強しようと思うかというと、そのモチベーションがあまり高まっていないのが本音です。レストランやスーパーマーケットなどで最低限の会話ができるようにはなりたいと思っていますが、文法をしっかりと勉強して、きちんとした文章を書けるようになりたいかというと、そのモチベーションまでは湧いてきていません。おそらく、Google Translatorを使えばかなりの高い精度でドイツ語の文章の意味を理解できてしまうことや、仕事で出会うドイツ人は皆当然のように高いレベルの英語を話すというのが原因としてあると思います。また、語学で力を入れるべき分野としては、ドイツ語を学ぶよりも、むしろ英語でもっと微妙なニュアンスを表現できるようになりたい、語彙を増やして正確に自分の伝えたいことを伝えるようになりたいというモチベーションの方がずっと強いです。

White Asparagus
ウィーン市内のレストランで食べたホワイトアスパラガス。
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Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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