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インターン4週目を終えて

 しばらくブログの更新をしていませんでしたが、ウィーンで元気にやっています。日本にいた職場と比べて勤務時間はずっと短いのですが、それでも、平日は朝8時半くらいから夕方6時くらいまで毎日IAEAにいて、週末も家事をしたり友人と会ったり、イベントに参加したりすると(先週末はUNIDO(国連工業開発機関)主催のエネルギーフォーラムに行きました)、あっという間に月日が過ぎていってしまいます。

 仕事は、以前よりも任せてもらえるものが増えて、少しずつやりがいが出てきました。少し専門的な話になりますが、使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約(Joint Convention on the Safety of Spent Fuel Management and on the Safety of Radioactive Waste Management)という条約があります。その条約に基づき、批准国は、各国で放射性廃棄物を安全に管理するためにどのような政策を打ち出しているかや、どの施設にどれだけの放射性廃棄物を保管しているかの目録(inventory)に関して、報告書をIAEAに提出することになっています。日本もこの条約の批准国です。報告書は3年に一度提出することになっていて、第五回目の報告書の提出の〆切がちょうど今年の5月だったので、各国から次々と報告書がIAEAに集まってきています。一つの報告書当たり100ページから多い国だと300ページくらいになるので、僕のいるチームのメンバーは、到底全部を読むことができません。そこで、僕は、各国から出てくる報告書のうち、自分のいるチームに関係する部分を要約して、1ページ程度の分量にまとめるという業務をしています。他の業務を色々と抱えている上司がいちいち数百ページの報告書を読む手間を減らせるので、チームに貢献できていると実感できますし、また、各国が原子力発電から生じる放射性廃棄物をどのように管理しているかについて勉強ができて、自分にとっても非常に役に立っています

 この業務をこなす中で感じたのは、ケネディスクールで日々の授業の課題をこなしていたうちに、知らず知らず、英文で書かれた大量の情報を、見やすい形で短い文章にまとめる訓練をしていたということです。例えば、エネルギーの地政学(Geopolitics of Energy)の授業では、合計で100ページ以上に及ぶ課題文書が与えられた上で、意思決定者に対して3ページの政策メモを作る訓練をしましたし、民主主義の理論(Democracy Theory)でも、抽象的な政治理論を記述した政治哲学の古典を読んで、その理論を現代社会にどう適用するかに関して1ページのリーディングレスポンスを書く訓練をしました。留学する以前は、100ページ以上の報告書を目の前にしただけでも精神的な負荷が大きかったのですが、今は、数時間あれば、重要なポイントを1ページ程度にまとめることができるかなという感触を持つことができています。情報が溢れている中で、忙しい人に1ページ程度の短いメモを書いて、端的に要点を伝える能力というのは、国内・国外関わらず、必要になってくるスキルだと感じました。

 放射性廃棄物の管理について調べていて分かったのは、放射性廃棄物の最終処分をどうするかは、フィンランドやスウェーデンといった一部の先駆けとなる国を除いて、ほとんどの国が方針を決定できていないことです。当面の間は、放射能レベルを小さくする処理や、容量を小さくする処理、セメントやガラスなどを用いて汚染物質を固定化する処理などを施した上で、一時的な貯蔵(temporal storage)をしているという対応を取っている国がほとんどです。フィンランドやスウェーデンのように、放射性廃棄物の最終処分に関して方針を決定することができた国の事例を拾い上げて、各国に共有していくことがIAEAのような国際機関には求められていると思います。

 仕事以外では、ドイツ語の会話を勉強することに決めました前々回の記事に、ドイツ語を勉強するモチベーションがあまり高まっていないと書いたのですが、ちょうど、7月の一ヶ月限定で、昼休みの時間を活用してIAEA内でドイツ語初級のクラスが開かれることが分かり、それを取ることにしました。スーパーマーケットやレストランなどのちょっとした瞬間に、簡単にでもドイツ語会話ができるようになりたいと思います。大学1、2年生の時はドイツ語を第二外国語として選択して、インテンシブコースなども取っていたのですが、情けないことに、全く使っていなかったのでほとんど忘れてしまいました。ただ、一度勉強し始めれば、すぐに記憶を取り戻せるのではないかとも期待しています。

150620 Vienna Energy Forum
6月20日のUNIDOエネルギーフォーラム。ウィーンのホーフブルグ宮殿(Hofburg Palace)で開催。日本はUNIDOへの世界一位の拠出国であり、多くの日本人パネリストがいました。
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Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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