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秋学期の授業選択の悩み

 最近は、秋学期の授業の選択について色々と頭を悩ませています。書くことで自分の頭の中も整理されるかと思うので、このブログに今考えていることを書いていきたいと思います。

確実に取りたいと思っている授業:
ITF225: The Future of Globalization: Issues, Actors, and Decisions
 元ハーバード大学学長でオバマ大統領の経済政策アドバイザーも務めたローレンス・サマーズ教授と、貿易の政治経済学の授業で教わったロバート・ローレンス教授が二人で組んで教える授業。EU等の地域統合や自由貿易協定をはじめとして、世界の経済・政治が統合されていく中、気候変動、移民、食糧の安全保障などの地球規模の課題の解決に向け、ビジネスや政府、国際機関等の各アクターがどのような役割を果たしていくべきかかといったことを学びます。大クラスでの授業の他に、十数名のセクションに分かれたシミュレーションを学期中に何度か行います。ちなみに、二年目からアカデミック・アドバイザーと呼ばれる学業の相談に乗ってくれる教授が学生一人につき一人つくことになっていますが、僕のアドバイザーはロバート・ローレンス教授になりました。

MLD355M: Public Narrative: Self, Us, Now
 オバマ大統領の選挙アドバイザーも務めたことで有名なマーシャル・ガンツ教授が教える、HKSとハーバード教育大学院の両方で開講される授業。自分のストーリーや普遍的な価値(Value)を語ることによって、周囲の人たちを動かして、社会的なムーブメントを作っていく方法を学びます。学期を通じて、TAや小グループのメンバーからのフィードバックをもらいながら、自分のストーリーを築き上げていきます。マーシャル・ガンツは教授は、日本を含め、世界各地で市民運動を成功に導くための活動をしています。僕は今のところ、市民活動家のようになりたいとは思っていませんが、自分のストーリーや普遍的な価値を語って周りの人を動かしていくという方法論は、日本の大きな組織に戻っても活用できるのではないかと思い、受講してみたいと感じています。

次に取りたいと思っている授業(これらの中から1~2個受講したいと考えています):
IGA116: Great Power Competition in the International System
 職業外交官で、ジョージWブッシュ政権で国務次官を務めたニコラス・バーンズ教授によるケネディスクールで最も人気のある授業の一つ。中国、インド、ブラジルの新興国と、アメリカ、EU、ロシアを世界の大国とみなし、それらの国々のパワーバランスの変化や、協力・競争関係について考察する授業。これらの大国がどう協力し、核不拡散問題や南シナ海・東シナ海等の領土問題、シリア等の中東和平問題を解決するかといった点についても考察します。学期中を通じて、各学生は一つの大国を割り当てられ、その大国の立場になって授業中のディスカッションに貢献することが求められます。学期の最後には、口述試験が行われます。

IGA685: Negotiating US Interests in an Evolving Asia Pacific
 アジア大洋州地域における安全保障問題や経済について考察する授業。学期中に、北朝鮮の核問題やTPP、南シナ海・東シナ海の領土問題などに関するシミュレーションを実施する。元フレッチャースクール学長のStephen Bosworth教授と、John Park講師の二名体制で教えます。昨年受講した友人が非常に良かったと言っていたのを聞いて、受講を検討しています。また、ケネディスクールでは珍しいアジア系(韓国人)の講師であるJohn Park氏から、アジア人として世界で活躍する秘訣のようなものを盗めればいいかとも思い、受講に興味を持っています。

API141: Finance
 ファイナンスの基礎を一通り網羅的に学ぶケネディスクールの名物授業。Akash Deep教授という、世銀やIFC(国際金融公社)、ゴールドマンサックスなどの投資銀行、各国政府にアドバイスをしている一流の学者兼実務家が教えます。僕の一番の関心分野であるエネルギー市場を理解するためにも、企業の投資行動をより深く理解する必要があると感じています。(参考:ヘンリー・リー教授とのオフィスアワー)僕自身のこれまでのキャリアの中で、ファイナンスに触れることは多かったのですが、にわか知識でその場限りの対応をしていたので、一度きちんと理論を学んでみたいと思ったのが、受講に興味を持ったきっかけです。また、夏休みのIAEAのインターンを通じて、抽象的な科目や俯瞰的・マクロの科目ばかりでなく、より実践的で、実務にも直接役立つ科目を一つくらい受講した方がいいかとも感じたことも、受講に関心を抱いた理由の一つです。


 これらの授業とは別に、前々回の記事にも書いたとおり、IGA412: Geopolitics of Energyのコースアシスタント(CA)をすることが決まっています。今日、オサリバン教授ともう一人のCAとのミーティングがありましたが、思った以上に教授からCAに求められていることが多いように感じ、気合を入れ直しています。シラバスの改訂や授業スライドの編集はもちろん、学期中に行うシミュレーション(OPECの石油生産ゲームや、石油の投資ゲームなど)については、CAが主導して実施することが求められています。もちろん、学生の発言を記録したり、提出物の管理を行うといった事務的な作業もする必要があります。CAとしてオフィスアワーを開くことも期待されているので、受講する学生以上に内容について理解を深めなければならないと感じています。今日話をしていて、オサリバン教授は新しいもの・イノベーティブなものが好きで、学生の教育にとって役立ちそうなものはどんどん取り入れていこうという精神の持ち主だと感じました。この授業は例年高い評価を得ている授業なので、凡庸な先生であれば、前年と大きくやり方は変えず、同じようなカリキュラムをこなそうと考えそうなものですが、オサリバン教授は常に授業の質を高めようと前向きです。こうしたオサリバン教授の新しい提案に応えていくためにも、CAである僕自身も、新しいものを取り入れて、自分自身のコンフォートゾーンから抜けて常にチャレンジしていかなくてはいけないと感じています。このCAの業務にどっぷりと浸かるためにも、自分の取る授業は合計で3~4つがちょうどいいのかなという気がしています。ちなみに、卒業までは後8単位を取る必要があるので、授業はできれば今学期中に4単位取っておくのが理想です。

 このように授業選択に悩んでいますが、今一度、ケネディスクールに来ようと思った元々の動機を振り返ってみることにしました。これまでのキャリアの中で、日本の世界における発言力が低下しているのではないか、世界のルール作りに日本がきちんと食い込めていないのではないかとの危機意識を強く持ったことから、世界における日本のプレゼンスを高める方策を考えたい、また、僕自身、個人としても世界の中で通用する人材になりたいといのが根本にあったように思います。世界の中で日本に求められている役割を、経済の観点から考察するのがITF225: Future of Globalizationの授業で、国際関係論の観点から考察するのがIGA116: Global Power Competitionの授業かなという印象です。これらの二つの授業は、僕のケネディスクールに入学した動機にぴったり合う授業で、日本の進むべき針路を俯瞰的な視点で考察するのにぴったりの授業かと思っています。後は、Geopolitics of Energyのコースアシスタントの負荷を考えながら、アジアの中における日本の役割について深く考察するためにIGA685: Negotiating US Interests in an Evolving Asia Pacificを取るか、より実践的で実用価値のあるAPI141: Financeを取るか、あるいは両方ともとらず今学期は3単位にしておくか、という選択になると思っています。

 以上、自分の頭の中にある悩みをつらつらと書いてしまいましたが、授業の選択次第でこれから始まる3か月半ほどの秋学期の生活スタイルが決まるので、ショッピングデーなどでの先生の印象も考慮しつつ、慎重に決めていきたいと思っています。
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tak

Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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