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新渡戸国際塾を修了しました

 昨年12月、半年間にわたる新渡戸国際塾のプログラムを無事に終了しました。

 行政やビジネス、NPO等のそれぞれの立場で世の中にインパクトを与えるような人たちに共通する考え方は何かと振り返ったところ、2つのキーワードが浮かび上がりました。
 一つは、「知的好奇心」を持ち続けること。能×現代音楽という新しい領域に挑戦する青木涼子先生と、市外の若者や女子高生のアイディアを取り入れながら街の活性化を図る鯖江市の牧野市長からは、自分の専門領域の外にある知識を積極的に取り入れ、異分野の人たちとコラボレーションする姿勢を持ち続けることの大切さを学びました。特に、牧野市長は、意図されてか意図されていないかはわかりませんが、威圧的な態度を一切見せず、オープンマインドで、常にニコニコとしており、周囲から意見を言いやすい優しい雰囲気を醸し出していると感じました。
 二つ目は、自分がやりたいことが「明確」で、それに「忠実」であること。青木先生の例でいえば、能という日本の伝統芸能を世界のクリエーションに生かしていくという明確な軸を持って活動をしていること、また、それに対し青木先生自身が嘘偽りなく、心からやりたいと思っていることが伝わってきました。明石康先生も、世界の平和に貢献したい、国連という組織でそれを実現したいという想いが明確で、それを国連でやり続けてきたことが、先生の話から伝わりました。世の中に対し大きなインパクトを与えられる人は、自分が人生を通じて何をやりたいかが明確で、それに対し真っすぐに取り組み続けているという原理に気づくことができました。私自身も、「何をやりたいのか」を今一度見つめ直してみると、世界における日本のプレゼンスの向上に貢献したい、日本経済の活性化・日本企業の競争力強化を通じてそれを実現したい、という想いが根っこにあると思っています。この想いに忠実に、コツコツと日々の仕事に取り組んでいきたいという想いを新たにすることができました。

 新渡戸国際塾の修了式では、人生で初めて答辞を読む機会もいただき、貴重な経験となりました。半年間の良いまとめになっていると思うので、以下に、答辞を掲載しておきたいと思います。
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答辞

 本日は私たち塾生のためにこのような会を開いてくださり、誠にありがとうございました。振り返れば、私たちが最初に出会ったのは今年6月。初めの自己紹介では、まだ互いのことを知らず、非常に堅い雰囲気だったのを覚えています。その後、鯖江と清里における二度の合宿、様々な講師の方々とのディスカッション、そしてほぼ毎回開催した懇親会を通じて、お互いの人となりを深く知ることができました。清里合宿では、それぞれの塾生が最も影響を受けた本を紹介し合うことで、お互いの価値観の根本・原点に触れることができました。こうした密度の濃い関わり合いを通じて、社会人になり、それぞれの所属や立場がある中で、そうした壁を超えて、互いに信頼できる・応援し合えるような人間関係を築くことができたのが、新渡戸国際塾を通じて得た最も大きな財産の一つだったと強く感じています。

 また、様々な講師の方々との議論を通じて、多くの学び・新しい発想を得ることができました。私たちは、通期にわたる塾生の統一テーマとして、日本人として世界の課題にどう貢献するか、様々なセクターが社会課題の解決に貢献するコレクティブインパクト、本質を見極める力の3つを設定しました。多くの貴重なアイディアを得ることができました。他分野の人々を巻き込む形で従来の行政の進め方とは全く異なる発想でまちづくりをしている牧野市長や、優れた政治システムとしてとらえられている民主主義に対し問題提起する佐伯先生、衣服に着目して貧困などの社会課題を解決していくNPOを立ち上げ、世界にその発想を広めているグプタ先生、伝統芸能を守るだけでなくそれを世界のクリエーションに生かす活動を進める青木先生、個人と個人のレベルの交流を促すことで国同士の関係性を高めていくことに貢献している毛先生など、得られた発想は、数え上げればきりがありません。私たちが当たり前に受け入れていた考え方を良い意味で覆してくれただけでなく、グローバルな課題や社会課題の解決にあたっては、所属する組織やセクターは必ずしも関係なく、独創的な発想やそれを貫く信念があれば、どんな立場からも貢献していくことができることを学びました。

 このように新渡戸国際塾での6か月は、私たちに貴重な仲間との出会いと、新しいアイディアを授けてくれました。今後、私たちは、新渡戸国際塾を卒業し、それぞれのフィールドに戻っていくことになります。その際、新渡戸国際塾で得られた仲間との出会い・経験を、6か月の思い出にとどめず、今後の私たちの人生につなげていくことが何よりも大事だと考えています。まずは、塾生同士のつながりを維持して、互いにインスピレーションを与え続け、互いを応援し合い、コラボレーションしていける関係を作っていきたいと思います。また、新渡戸国際塾で学んだ貴重なレッスンとして、好奇心を持って新しい知識に触れ続けること、当たり前に受け入れていた価値観を一度疑ってみること、組織や立場を超えて様々な人たちと積極的に会って話をしていくことを心掛けていきたいと思います。

 最後になりますが、こうした素晴らしい場を提供しご指導くださった明石塾長や渡辺先生、千野先生をはじめとする先生方、密度の濃い時間を共に過ごした同期の塾生、様々な場面で私たちを支えてくださった事務局の皆様など、お世話になった方々に深くお礼申し上げ、答辞とさせていただきます。
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Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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