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オリエンテーションで感じたこと

先週一週間のオリエンテーションで感じたことを、備忘録として、書き記しておきたいと思います。

1 同級生について
僕のいるMPA2プログラムは、ペンシルベニア大ウォートン校やMITスローン校、ダートマス大学タック校などのアメリカのトップレベルのMBA校や、ニューヨーク大学ロースクールなどのロースクールとのジョイントディグリーの学生が約半数を占めます。このジョイントディグリーというのは、本来なら学位取得に2年ずつかかるプログラムを組み合わせて、2つの学位を3年間で取得するというものです。

私見ですが、MBA・ロースクールと、ケネディスクールを比べると、前者は金を稼ぐことにつながる実践的なビジネスの知識の習得が中心で、後者は交渉術やリーダーシップなどのソフトスキルの習得に加え、より哲学的・倫理的な知見を得ることに力を入れているように思います。実際、ジョイントディグリーの学生に話を聞くと、MBAやロースクールでは、ファイナンスや会計、マーケティング、マネジメントなどのプラクティカル(実践的)な知識を身に付け、ケネディスクールでは、政治や国際関係、宗教、倫理学など、将来的に公的セクターに関わる上で必要になるものの、すぐには役立たないような知見を得ようとしているように思います。

例えば、一人の韓国系アメリカ人は、将来はアメリカの教育に携わりたいものの、当面は学生ローンを返さなくてはいけないので、ゴールドマンサックスなどの投資銀行や法律事務所で働いて金を稼ぐと言っていました。また、タイやインドネシアなど途上国出身の学生も、将来的には政治や行政の世界に入り、自国の公的セクターを改革したいという想いを持っていながらも、当面はプライベートセクターで経験を積みたいと言っていました。他にも、ヨルダンから来た同級生は、イスラエルとパレスチナの紛争を解決したいが、政府で働くのではなく、コンサルタントとしてその問題の解決に寄与したいと言っていました。

また、社会起業(social entrepreneurship)に関心の強い同級生も多いです。例えば、フランスのマッキンゼーで働いた経験を持つ同級生は、フランスの失業率の高さに問題意識を持っており、それを解決する企業を立ち上げたいと言っていました。また、イギリスから来ている同級生は、私立の学校に進学できる一部の裕福な子弟が社会の主要な地位を占めているというイギリスの現状に問題意識を感じ、それを解決するために教育関連の企業やNPOを立ち上げたいと言っていました。

このように、ケネディスクールの同級生は皆、社会的課題を解決したいというパブリックマインドを持ちつつも、それを実現する場として、政府のみならず、民間セクターや社会起業、NPOなど、様々な選択肢を模索していることが、僕には新鮮に映りました。

2 なぜ夜の飲み会の高速英会話についていけないか
先週は毎日のようにソーシャルイベントがありましたが、夜にお酒が入った後の高速英会話についていって、面白いコメントをするのは、今の僕には至難の業だと感じました。留学生(アメリカ以外の国籍の学生)と話をしている分には問題ないのですが、アメリカ人が過半数を占める場になると、皆容赦しなくなり、英語のスピードが2倍近く速くなると感じます。はじめ、こうした会話についていけないのは英語力の問題だけだと思っていました。ただ、一週間、毎日ソーシャルイベントに出続けて気付いたのは、夜の飲み会の高速英会話についていけないのは、もちろん英語力の問題はあるのですが、英語力よりも、むしろ話されるトピックについて知識がないことが主な理由なのではないかと思いました。

例えば、以下のような話題が夜の飲み会では繰り広げられます。

・パキスタンの政治の腐敗について
・アメリカの教育、特にチャータースクールについて
・チリの政治、大統領について
・アメリカの保険医療制度、オバマケアについて

こういった話題は、普段アンテナを張ってフォローしていないと、とっさに自分の意見が出てこないものです。今後の自分の目標として、あらゆる国際問題や、アメリカ国内の問題について、自分なりの意見を持って、会話に積極的に参加できるようになりたいと思いました。

3 クラスのディスカッションに貢献できるか
渡米する前までの一番の不安は、授業の評価に直結するクラス参加(class participation)がきちんとできるかという点でした。授業によっては、クラス参加が成績の40~50%を占めるものがあります。授業中は黙って聞いていればよく、中間テストや学期末のテストで成績のつく授業が大半を占めた日本の大学とは大違いです。しかも、周りのケネディスクールの学生は、積極的で、話したがりな(自分の意見を言いたがる)学生ばかりです。

このように不安が大きかったのですが、先週一週間のうちに、いくつか模擬授業に参加したところ、クラスのディスカッションには、何とか貢献できるという感触を得ました。なぜなら、ケネディスクールの授業の多くは、多様なバックグラウンドを持つ学生からの意見を歓迎しており、日本という(アメリカ人から見れば)特殊な環境から育った自分の意見は、それ自体がユニークなものだと気づいたからです。特に、MPA2コースの中で僕は唯一の日本人ですし、今後僕がケネディスクールで取る授業でも、日本人の数はせいぜい1~2人程度になると思います。これから始まる授業では、ほんの少しの勇気を振り絞って手を挙げて発言し、日本という独自の文脈から、クラスのディスカッションに積極的に貢献していきたいと思います。 

Charles River

Charles River 2

写真:チャールズ川の様子
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[C14]

ホンの少しの勇気は常に心掛けるべき大切な心構えですね、日本人代表としてがんばってください❗️
  • 2014-09-04 17:48
  • otto
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[C16] Re: タイトルなし

英語のペラペラな人たちの中で手を挙げて発言するのは勇気が要りますが、初心を忘れず、何とか継続していきたいと思います。
  • 2014-09-05 08:42
  • tak
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プロフィール

tak

Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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