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日中関係のセミナーに参加しました

今週の火曜日に、ハーバードのウェザーヘッドセンター(Weatherhead Center)という日米関係を研究するフェロープログラムのイベントで、「なぜ中国は平和的に成長できないのか、そしてそれは日本にとって何を意味するか(Why China Cannot Rise Peacefully and What That Means for Japan)」という題目のセミナーに行ってきました。シカゴ大学の教授のジョン・ミアシャイマー(John Mearsheimer)が冒頭に発表を行い、それに対し、ハーバードの名誉教授のエズラ・ボーゲル先生がコメントを述べるという形で進みました。僕は恥ずかしながら、このミアシャイマー教授を知らなかったのですが、国際関係論の世界では、ネオリベラリズムの学者として有名な方だそうです。内容は、以下のとおり、かなり刺激的なものでした。

・国際関係は無秩序(anarchy)であり、国家は自己の生存のために、自らのパワーを最大化するように行動する。
国家の意図(intention)を他の国家は理解することはできない。(これは離婚と同じようなものである。アメリカでカップルの50%が離婚しているのは、相手の意図を見誤っているからだ。)例えば、国家の防御的な行動が、他の国にとっては攻撃的に映ることがある。
・グローバルな覇権国(hegemon)になることは難しいが、地域的な覇権国になることはできる。アメリカは地域の覇権国になることに成功した。アメリカと同じように、中国はアジア地域で覇権国になることを目指すだろう。
中国がアジア地域で覇権国になれるかは、中国が経済成長し続けられるかによる。中国は経済の力(economy might)を軍事的な力(military might)に変換するだろう。
・アメリカは、日本やインド、韓国、台湾、フィリピン、ベトナムといったアジアの同盟国と連携し、中国のパワーに対抗する戦略を取るだろう。
中国がこのまま成長し続ければ、東シナ海での日中間の軍事的衝突のリスクは極めて高くなるだろう。その場合、日本は防衛費によりお金を費やし、再武装(rearmament)をする必要が出てくるだろう。同時に、アメリカにより依存する必要が出てくるだろう。ただ、日本にとってアメリカがどれだけ信頼できるかは、よく見極める必要がある。
・中国がこのまま成長し続ければ、日本は、アジア地域の覇権国としての中国を認めざるを得なくなるだろう。日本にとっては、中国の成長が止まることが一番の利益である。


このミアシャイマーの発表に対し、ボーゲル先生は、理論だけでなく、日中間の歴史をよく見る必要がある、日本と中国は協力できる分野が多くある、例えば、中国は環境や産業投資において日本の協力を必要としているし、日本との関係が悪化すれば中国の国益にどれだけ悪い影響をもたらすかよく理解している、そのため日中間の軍事的衝突がそう簡単に起こるとは思えないという趣旨の主張をしました。

ハーバードのウェザーヘッドセンターのイベントには初めて参加しましたが、僕にとっては日中関係について考える良いきっかけになり、参加してよかったと思えました。ウェザーヘッドセンターは毎週イベントをやっているようなので、今後も機会を見て参加し、自分にとって馴染みのない分野についても、見識を広げていきたいと思います。
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Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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