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今日色々と考えたこと

あまり脈絡がないですが、今日感じたことをいくつか書き記しておきたいと思います。

1 日米の保険制度
 今日、アメリカの官民関係という授業で、アメリカの保険制度について扱いました。アメリカでは、現在も人口の約15%が何の健康保険にも入っていません。保険制度の改革は、クリントンからジョージ・W・ブッシュ、オバマにいたるまで、常に選挙の最大の争点の一つとなっています。授業では、クリントンが企業に対し従業員への健康保険の提供を義務付けようとしたこと、ブッシュがメディケア(Medicare)制度に処方薬(Prescription drug)への保険を追加しようとしたこと、オバマがオバマケアを通じて現在の制度ではカバーされていない残りの15%の人口にも保険を提供しようとしていること、そしてそれらの取組みが様々なステークホルダーの反対に遭い、実行に移せていないことを学びました。保険制度のステークホルダーは、大企業から中小企業、製薬会社、病院、医者、労働組合に至るまで、多岐にわたっています。日本は皆保険制度で、僕自身、生まれた時からそれが当たり前のようにあったので、アメリカの制度とはあまりに前提が違いすぎて、どうも自分事として授業中の議論に参加できないという感触です。アメリカの保険制度を、アメリカの国民の立場にたって真に理解し、議論するためには、もっと勉強が必要だと感じました。

2 色々とつなげるということ
 ケネディスクールで勉強していると、それぞれの授業やセミナーで学んでいることが互いにつながる瞬間が多くあって、それを面白いと感じています。例えば、アメリカの官民関係の授業で産業政策の必要性について学んだ後に、エネルギー政策の授業で、アメリカの太陽光発電への補助金の失敗例に関するケーススタディを扱いました。リーダーシップの授業で、政府の権力(Power)が分散し、企業やNGOがより影響力を持つようになってきたことを学んだ後に、貿易の授業のケーススタディで、ファイザーやIBMといった企業やOxfamといったNGOが、WTO交渉のプロセスに大きな影響を与えていることを学びました。また、貿易の授業のWTOの交渉シミュレーションにおいて、交渉学の授業で習った様々な概念(BATNA(最良の代替案)など)を活用しています。
 僕自身の経歴を振り返ると、非常に様々な分野をつまみ食いしてきました。日本の学部では都市工学を専攻し、都市計画や建築デザインについて学びました。大学院では技術経営という理系版MBAと言われる学問を専攻し、経営学の基礎やイノベーションについて学びました。独学で経済学も勉強しました。そして、今、ケネディスクールでは、よりマクロな視点での政府の政策や、交渉学・リーダーシップといったソフトな学問を学んでいます。来学期以降も、民主主義や外交、地政学といった分野を学びたいと思っています。悪く言えば興味が分散していてどれも浅い知識しかないのですが、ポジティブにとらえることもできると感じています。今から何か特定の分野の専門家になることは難しくても、複数の分野を知っていて、それらを適切につなぎ合わせて編集し、価値を生み出すことができれば、それが自分の武器になるのではないかと思っています。今はまだ目の前の授業をこなすのに精一杯で、自分の実力不足に悔しい思いをすることが多い日々ですが、ケネディスクールを卒業する一年半後には、そうした編集力・統合力を身に付けていたいと思います。

3 リーダーの周囲のメンバーへの配慮について
 ケネディスクールに来てから、授業のグループワークや、課外活動などで、グループで活動することが多くあります。僕自身がリーダー的な役割を担うこともありますが、ケネディスクールではリーダーになりたがる人が多いので、フォロワー的な役割を担うことがどちらかというと多いです。自分がフォロワーである時に、リーダーの振舞いに疑問を感じることがあります。最近では、リーダーの他のグループメンバーに対する配慮が欠けていると思うことが何度かありました。例えば、僕がリーダーの指示に従い、それなりの時間を費やして作業をし、報告した後に、リーダーから何のお礼の言葉もないことがありました。一言だけ「ありがとうございました。」という言葉があるだけでも、随分与える印象が違うのになぁと思いました。また、色々と誤解の生まれやすいメールでのコミュニケーションにおいて、指示が雑だったり、お礼の一言がないため、周囲にぶっきらぼうな印象を与えている人がいます。自戒の意味も込めて、自分がリーダー的な役割を担う場合には、周囲への配慮を心掛けたいと思いました。

4 ケーススタディの読み方
 縁があって、日本でハーバードビジネススクールの教材を使ってセミナーなどを開催している団体の運営スタッフの方から、ケーススタディの準備の仕方、読み方について、アドバイスをいただけないかとの依頼を受けました。実際に海外留学してケーススタディに取り組んでいる人からのコメントをもらって、セミナーの参加者を励ましたいとのことでした。僕自身、日々の授業で必ずしもコンスタントに貢献できているわけではなく、自分が適任かどうか自信がありませんでしたが、折角の機会なので引き受けることにしました。ケーススタディの読み方について自分自身が日々何となく考えていることを、きちんと文字にして公開することで、自分に良いプレッシャーがかかると思ったからです。ブログを書くこともそうですが、自分のしていることや将来実現したいと思っていることを周囲に公開することで、自分にプレッシャーをかけることは、効果的だと感じています。サッカーの本田圭佑と比較するのも恐れ多いですが、彼が小学校の卒業文集にセリアAで10番を背負うと書いて実際に実現させたとおり、彼も壮大な目標を公に示すことで自分にプレッシャーをかけ、自分を成長させているのではないかと思います。
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[C34]

頭に浮かんだことをすぐに書き記す習性は素晴らしいですね。学んだ事が繋がっていくことを実感すると勉強が楽しくなるのでは⁈複雑で曖昧模糊としている状況からブレイクスルーするには統合力と様々な人の力を借りるリーダーシップが必要、リーダーの最低条件として誠実さと他人への配慮は必須だと思います。
take it easy的な気持ちの持ち方も必要なので、自分への過度でなく適度なプレッシャーを心がけてくださいね。
  • 2014-11-14 17:42
  • otto
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[C35]

いつも、教えられること、書いてあり、感心しています。
豊富な知識や、有能なことは、もちろん、リーダーは、まわりで、その存在価値が決まるので、まわりに気を配ることは、大切ですね。なかなか、むずかしいですが、それに、気がつくのは、すばらしいと、思います。
  • 2014-11-15 09:24
  • K.Michael
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[C36] Re: タイトルなし

ありがとうございます。様々な人の力を借りるリーダーシップが必要というのは、海外に来て一人では何もできない場に身を置くと、改めて痛感します。自分への適度なプレッシャーをかけながら、日々を過ごしていきたいと思います。

> 頭に浮かんだことをすぐに書き記す習性は素晴らしいですね。学んだ事が繋がっていくことを実感すると勉強が楽しくなるのでは⁈複雑で曖昧模糊としている状況からブレイクスルーするには統合力と様々な人の力を借りるリーダーシップが必要、リーダーの最低条件として誠実さと他人への配慮は必須だと思います。
> take it easy的な気持ちの持ち方も必要なので、自分への過度でなく適度なプレッシャーを心がけてくださいね。
  • 2014-11-18 11:51
  • tak
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[C37] Re: タイトルなし

ありがとうございます。周りの人への気遣いなど、自分もできていないことが多いので、日々の生活で意識しながら過ごしていきたいと思っています。

> いつも、教えられること、書いてあり、感心しています。
> 豊富な知識や、有能なことは、もちろん、リーダーは、まわりで、その存在価値が決まるので、まわりに気を配ることは、大切ですね。なかなか、むずかしいですが、それに、気がつくのは、すばらしいと、思います。
  • 2014-11-18 11:55
  • tak
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プロフィール

tak

Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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