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ロバート・ローレンス教授とのオフィスアワー②

貿易政策のロバート・ローレンス教授のオフィスアワーの二回目に行ってきました。一回目のオフィスアワーは、主に日本の貿易赤字や国際競争力について話をしました。今回は、日本の貿易政策について話を伺いました。

Q. 日本の競争力を高めるために、貿易政策をどのように活用することができるか。
A. 日本にとっての最大の機会は、土地の合理的な利用だと信じている。農業改革のために、貿易政策を活用する大きなポテンシャルがあるだろう。特に、牛肉や豚肉などの農産品の自由化に対して日本は防御的である。それらの農産品を自由化することっで、価格が低下し、簡単に大きな利益を得ることができるだろう。
 日本は、近年、日本企業の利益が日本経済にとっての利益だという、オープンな考えをとるようになってきていると思う。15~20年前は、日本は産業の空洞化を心配していた。しかし、現在は、統合された市場の中で、日本企業が海外に出ていって利益を上げることが、日本経済にとっても利益のあることだと捉えるようになってきている。

Q. 二国間協定や、WTOなどのマルチ協定が存在する中、TPPなどの地域協定(Regional Agreement)はどれだけ効果的か。
A. TPPは、米国、日本にとって、中国をより開放的にするための地政学的戦略(Geopolitical Strategy)と言える。中国市場は、知的財産(Intellectual Property)の盗難や、外国企業を国内で平等に扱っていないなどの問題があるため、米国や日本は必ずしも中国を信頼していない。TPPにより、実行可能な深い地域協定(Viable Deep Regional Agreement)を結ぶことができれば、中国に対し、協定に加わるようプレッシャーを与えることができる。例えば、企業のサプライチェーンを例にとると、中国の賃金は上昇してきている。他方、ベトナムの賃金は中国より安く、TPPによりベトナムの市場が更に開放されることで、中国に競争的なプレッシャーをかけることができる。
 TPPの他にも、米国とEUが締結を目指している自由貿易協定であるTransatlantic Trade and Investment Partnership(TTIP)がある。こうした自由貿易協定において論点となり得るのが、投資紛争解決(Investor Dispute Settlement)である。投資紛争解決は、通常、自由貿易協定の一部として含まれるもので、投資家が外国政府に対して訴訟を起こすことができるというものである。例えば、オーストラリア政府が、国内法により、タバコ製品を無地のパッケージにして売るように企業に求めていたのに対し、米国のタバコ企業が訴訟を起こしたケースがある。これに対し、オーストラリア内の健康推進団体は憤慨した。こうした背景も踏まえ、オーストラリアは、TPPにおいて、投資紛争解決を含めることに反対の立場である。

Q. TPPに先に加盟している国の間でルールが形成された後に、中国が後から加入するということはあり得るのか。
A. あり得る。中国はTPPへの加入に関心を示している。仮に、2015年の半ば頃までにTPPが締結されたとすると、韓国や台湾がTPPへの加入に関心を示すということはあり得る。それを受けて、中国も加入を検討するだろう。
 中国がTPPの加入を検討するにあたり、労働基準(Labor Standards)は、労働組合の問題と関係する重要な問題である。また、環境基準(Environmental Standards)や、国営企業(State-Owned Enterprises)に関し、どれだけ柔軟になれるかというのも重要である。なお、アメリカにとっても、労働基準に関してどれだけ柔軟になれるかというのは重要な問題である。

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[C43]

指導教官なんですか。一度お話してみたいと思いつつ。。また、今度、話聞かせてください。
  • 2014-12-16 08:58
  • こはら
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[C44] Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。ローレンスは指導教官ではないのですが、勝手にオフィスアワーを活用して積極的に質問をしていただけです。すごく親身になってくれるいい先生ですし、授業も面白くお勧めです!
  • 2014-12-20 03:10
  • tak
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プロフィール

tak

Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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