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秋学期最後の授業

今週で、秋学期の授業は全て終了しました。残るのは、最終レポートや期末テストのみです。それぞれの授業の最後には、教授から、その授業に賭けている想いや、学生に伝えたいメッセージを聞くことができて、非常に有意義でした。学期の途中では中々気付きにくかったのですが、ケネディスクールの教授は、それぞれ学生にどうしても伝えたいメッセージがあるからこそ、教壇に立っているのだと感じました。以下に、特に印象に残っている、交渉術の授業でのジュリア・ミンソン教授の最後の言葉を紹介したいと思います。

全ては交渉可能です(Everything is negotiable)。交渉の必要がないと思う時でさえも、交渉することで、双方にとってより良い結果が得られることがあります。同様に、人にお願いをするだけでも、あなたを成功に導いてくれることがあります(Just asking often gets you long way.)。交渉したり人にお願いをするのは快適でないと思う人もいるでしょうが、むしろ自分が快適でないと思うことに積極的に挑戦し、その上で、なぜ快適でないと思うかを考えるようにしてください。


交渉術の授業では、二人一組やチームでの演習を通じて、自分と相手の最適な代替案(BATNA)を常に意識するといった交渉のテクニックや、相互関係(Reciprocity)や一貫性(Consistency)といった人々に影響を与えるための原則、いかに人々の判断はバイアスがかかっているかといった心理学的な知識を学ぶことができました。しかし、僕自身、一番印象に残っているのは、そうした知識よりも、この「全ては交渉可能である(Everything is negotiable.)。」という考え方・心構えでした。この言葉には、こんなことは交渉してみても無駄だと思う前に、まずは相手と話を始め、相手の立場や表向きの言葉の裏にある利害を知ることで、双方の利益を最大化する解を見つけることができる、そのために、交渉術の授業で学んだ内容を日々の生活で実践してほしいという想いが込められているように感じました。交渉をいざ始めてみると、相手の真の利害を知ることが難しく、特に、相手が感情的になっていたり、タイムリミットがあってストレスがかかっている時には、非常に困難であることに気づきます。この授業を通じて、(1)感情を抑え冷静になって話し合いをすること、(2)相手に様々な質問を投げかけること、(3)イシューとなり得る事柄を全てテーブル上に出して、パッケージで議論することの3点が、相手の利害や優先順位を知る上で鍵になると感じました。

僕自身、今までの人生では、こんなことを交渉してもどうせ上手くいかないだろうと思ったり、交渉を始めることで相手に不快感を与えないかと考えてしまい、交渉そのものをしないという判断をすることが多くありました。特に、和を重んじる日本社会においては、交渉というと、例えば値切りの交渉など、自分だけが得をするための戦術といったネガティブな印象も少なからずあるように思います。この授業を通じて、相手に不快感を与えることなく、交渉を行い、双方にとって良い結果を生み出すという模擬体験を多く積むことができました。また、この授業を通じて得られた副産物として、まだまだ完璧には程遠いですが、英語ネイティブを相手に、英語で交渉をガチンコでやる自信もつきました。今後は、この授業で習った「全ては交渉可能である(Everything is negotiable.)。」という心構えで、何事にも臨んでいきたいと思います。
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[C41] Everything is negotiable

日本人は、交渉に対して、苦手意識があります。でもeverything is negotiableと、言う前向きな、ことばを、聞くと、積極的に交渉することは、いろいろなことを、打開できると、感じます。交渉というと、値引きとか、言いづらいとか、思っていました。日々、勉強になるブログをありがとう。
  • 2014-12-09 09:29
  • K.Michael
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[C42] Re: Everything is negotiable

ありがとうございます。確かに、日本人は交渉に対して苦手意識があるように思います。この言葉のおかげで、交渉することを前向きにとらえて、日々の生活の中でもっと積極的に交渉にあたることができると思っています。
  • 2014-12-16 01:28
  • tak
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プロフィール

tak

Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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