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秋学期が終わりました&秋学期の振り返り

金曜日に、貿易政策の持ち帰りテスト(Take-home exam)を提出し終えて、9月から始まった秋学期がようやく終了しました。今、秋学期を終えて、思うところをいくつか書いておきたいと思います。

1 大量に文章を読んで書くこと
僕は日本の大学院も卒業しているので、日本とアメリカの大学院教育の違いという観点から、秋学期を振り返ってみると、アメリカの大学院は、とにかく大量に英文を読んで大量に英文を書くというトレーニングを徹底的に積まされる機関だと感じました。リーディングに関しては、僕が今回取った授業では、1回の授業あたり平均して30~50ページのリーディングが課されました。それが週に2コマ、計4授業あったので、30~50×2×4=240~400ページのリーディングを毎週こなす必要がありました。僕が今回とった授業は、必ずしもリーディングの多い授業ではなかったので、もっと負荷の大きい授業を取れば、この数字は倍以上になると思います。日本の大学院ではこれだけのリーディングはそもそも課されなかったですし、アメリカでは、リーディングを行っていることを前提に授業が進み、学生の積極的な授業参加が成績にも反映されるため、さぼることができません。

ライティングも大量に行いました。例えば、エネルギー政策の最終レポートは4000字、貿易政策の持ち帰りテストは24時間以内に1500字を書きました。他にも、交渉術の授業では、毎週の模擬交渉においてプレップシート(準備シート)とデブリーフシート(振り返りシート)を提出する必要がありましたし、エネルギー政策の授業では、学期を通じて、それぞれ2000字程度の政策メモと3回のプロブレムセットの提出がありました。留学当初は、これだけの英文を書くこと自体に大きな抵抗がありましたが、今では、英文を書くことへの抵抗は減りましたし、1000字くらいなら一日以内に書けるかなという感覚も持てました。アメリカの大学院での教育を通じて、大量の英文を読み、大量の英文を書くトレーニングを集中的に積むことができていると感じます。

2 教授の重要性
授業を選択する際、ついつい科目名を重視しがちなのですが、それよりも教授に着目することが重要だと感じました。特に、教授の社会に対する発言力・影響力に加え、教えることにどれだけ熱意を持っているかというのが極めて大事な要素だと感じました。例えば、貿易政策のロバート・ローレンス(Robert Lawrence)教授は、クリントン政権で経済政策アドバイザーを務めていたこともあり、貿易・通商分野で発言力を持っていることに加え、学生に対し非常にサポーティブで、自由貿易の価値について世界各国から集まる学生に教えたいという熱意をもって授業をしていました。リーダーシップのバーバラ・ケラーマン(Barbara Kellerman)教授も、リーダーシップ教育界で一目置かれているだけでなく、自分の信念を強く持っていて、リーダーとフォロワーという概念について学生にどうしても教えたいという想いを前面に出して授業をしていました。今、来学期の授業で何を取るか考えていますが、科目名よりも、どの教授が教えているかに焦点を当てて、授業を取っていきたいと感じています。

3 新しい物の考え方を教えてくれる授業
今回の授業選択での反省は、自分の将来に直接的に役立ちそうな知識を学べそうだという狭い観点から授業を選択してしまったことです。例えば、エネルギー政策の授業は、毎回、石油や天然ガス、再生可能エネルギーなどの概要について学び、一通りの知識を押さえることはできました。ただ、これらの知識が、10年後、20年後にそのまま使えるかというと、きっとその頃には新しいイノベーションが起きているでしょうし、多くは陳腐化してしまっているのではないかと感じています。逆に、実用的な知識の他に、自分に新たな物の見方・思考の枠組みを教えてくれた授業も多くありました。例えば、以前の記事にも書いたとおり、交渉術の授業では、「全ては交渉可能(Everything is negotiable.」)という今までの自分にはなかった新しい視点を提供してくれました。リーダーシップの授業も、リーダーはもはやパワーや権力に依存して集団を率いることは困難であり、むしろ影響力を増してきているフォロワーにこそ着目すべきであるという、新しい物の見方を与えてくれました。実際に、自分の日本の大学院での日々を振り返ってみると、当時はファイナンスや知財などの実用的な知識を学ぶ授業をいくつも取っていましたが、卒業から4年以上経った今、その細かい内容の多くは忘れてしまいました。同様に、ケネディスクールの授業で技術的な内容をたくさん学んだとしても、数年経ってしまえば、ほとんど忘れてしまうのではないかと思いました。他方、授業を通じて学んだ大きな物の考え方や、思考の枠組みは、いつまでも覚えているのではないかと思います。

そのため、来学期は、もっと自分の考え方の根っこの部分を変えたり、新しい物の考え方を与えてくれるような授業を取りたいと思っています。今のところ、ケネディスクールで有名な適応型リーダーシップの授業や、アメリカの思想の根本に根付いていると感じる民主主義に関する授業、オバマ大統領の経済政策アドバイザーを務めたローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)の授業などを取りたいと考えています。

141205 Final Paper
141205 Final 2
最後の持ち帰りテストは、自宅から提出しました。
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Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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