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【読書録】東大名物教授がゼミで教えている人生で大切なこと

 大量の英文を毎日読まなければならなかった秋学期の反動からか、年末年始は電子書籍のKindleを通じて、読みたかった日本語の書籍を手あたり次第に読んでいます。その中でも、今後1年半の留学生活をどう過ごすかを考えるうえで、最も気づきの多かったのは、東大経済学部の伊藤元重教授の「東大名物教授がゼミで教えている人生で大切なこと」という本です。以下に、特に印象に残った内容をメモとして残しておきたいと思います。

東大名物教授がゼミで教えている人生で大切なこと東大名物教授がゼミで教えている人生で大切なこと
(2014/08/08)
伊藤 元重

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● 「読む」「書く」「話す」力を鍛える
速読とゆっくり読むことの両方に意義がある。早く読もうとすれば、それだけ意識を集中させることになるので、内容がしっかりと頭に入ることがある。他方、最初に読んだときには歯が立たないような難解な本でも、何度か読むうちに内容が頭にしみ込んでくることがあり、そうした一生付き合う本を見つけることも読書の醍醐味である。
自分が慣れ親しんでいる世界とは違った世界の本を読むことで、自分の視野や考え方を広げられる。数学、小説、美術書、音楽評論、歴史書、生物学など、なんでもそれに少しでも触れてみるべきだ。
・伊藤教授の生活は、多くの細切れだが大変に密度の濃い、情報のやり取りの連続である。新聞や雑誌の連載など、定期的に書くことは、その記憶をピン止めし、自分なりの言葉で整理し、キーワードを見つけ、より深く考え、次の思考につなげる最高の手段である。(=書くことは最良のインプットである。)
苦労して自分の言葉で表現することで、内容が自分の血や肉となり、講演などの場で上手に話せるようになる

● 発想力を鍛える
・講義や講演では、内容について自信が持てるまで徹底的に準備をしたうえで、聴衆の反応を見ながら自分の言葉で話をするのが良い。
人とのインタラクションを通じて、思考を発展させていくことは、重要な知的活動である。「話す」という行動は、相手との濃密なインタラクションを可能にする。日本の場合には、「読む」「書く」「話す」というそれぞれの知的活動のうち、「話す」という部分が少し弱いと感じる。
喫茶店での知的活動は、限られた時間というプレッシャーにより、大変な集中力を生み出す
色々な専門の方と対談を重ねることで多くの情報を短時間に集めることができる。その問題に精通している人がどのような点を強調しながら話すのかを肌で感じることができるし、質問をぶつけ、意見交換することで、より質の高い情報につなげられる。

● 効率を上げ、仕事の質を高める
毎日一人になって、ひたすら自分の仕事についての反省と次への課題を考える時間を取ることが重要である。例えば、「これまでの仕事ぶりを振り返って反省点はないか」「自分の周りで良い仕事をしている人の仕事ぶりで参考になることはないか」など。
・一つのことをずっと追い続けるのが苦手な伊藤教授は、いつも複数のことを同時に行うようにしている。読書でも何冊も同時に読むようにしているし、原稿でも同時にいくつかの原稿を進めている。
・企業が生き残るのに差別化が必要なように、私たち個々人が職業人生を歩む中で自分の価値を高めていくためには、人にはないような何か特徴的なものを持つようにすることが非常に重要である。
どんな小さなことでも毎日いろいろな新しいことにチャレンジしてみれば、自分が大きく変わっていくことを実感できる差別化とはそうした営みの結果である。(=コジマ創業者の小島勝平氏の成功の秘訣、「毎日1つ新しいことをやってみる」)

● ロールモデルを探せ
・一人の実体を伴った人がいて、自分がそうなりたいと思うことを実現している。それを参考にして自分の行動や目標を決める。そういったロールモデルは、人生の選択において重要な存在である。
同世代の人からの刺激は重要である。自分と同じ世代の人がこんなことをしているというのを知ることが、自分にとって大きな刺激となる。
人間は常に自分の周りの人を参考にしたり、目標にする。優れた教師が目の届く少人数の環境で質の高い教育をすることが最も重要だと考えられがちだが、大切なことは、教室を同級生による刺激あふれる場にすることである。


 この本を読んで、いくつか気づきがありました。まず、自分がブログを書くことの意味を再確認することができました。ケネディスクールでの毎日は、授業や、政治家や学者を招いてのセミナー、同級生との意見交換など、大量の密度の濃い情報にひたすら接することになります。実際、自分のこれまでの人生のどのステージと比べても、ケネディスクールに来てからが、最も多くの情報や刺激にさらされている日々だと感じています。ともすると、そうした情報の渦に飲み込まれ、毎日をただこなしていくことになりかねません。実際に、僕のケネディスクールでの最初の学期を振り返ると、大量の情報の渦に圧倒され、自分の知識としてきちんと身に付けられなかったなという反省があります。ブログの記事を書くことは、日々接する大量の情報を整理・加工して、自分なりの言葉で表現することであり、知識を自分の血肉とするうえでも大きな意味があることを改めて感じました。
  もう一つの発見は、ロールモデルが人生の選択において重要であり、特に、同世代の人からの刺激が重要だということです。実際に、秋学期を振り返ってみると、一方的に講師の説明を受けることが中心の授業よりも、グループワークや二人一組のエクササイズがあったり、課題を周囲のクラスメイトと議論しながら解くことが奨励されている授業の方が、多くの学びがあったように感じています。世界各国から集まる30歳前後の同年代のクラスメイトに負けたくないという想いが、自分の学習への意欲を大きく高めてくれたように思います。また、ハーバードという環境は、将来のビジネス界のリーダーを育てるビジネススクールや、法曹界のリーダーを輩出するロースクールなど、同世代の各分野のトップレベルの人たちと接する環境に恵まれているとも感じています。こうした同世代の優れた人たちから学ぶ機会を、今後の留学生活の中でもっと意識して作っていきたいと思いました。
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プロフィール

tak

Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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