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最近感じたことなど

 2月9日と10日の二日連続でハーバードは大雪のために大学が休校となりました。来週も16日(月)は大統領の日(Presidents' Day)のため授業はないので、新学期が始まったとは言え、中々生活リズムがつかめないでいます。最近は一人で色々と考える時間もあったので、最近感じたことについて、メモを書いておきたいと思います。

1 フィードバックを受けること
 授業や課外活動を通じて、周囲から率直なフィードバックを受けることの大事さを改めて感じています。例えば、1月のArts of Communicationの授業では、自分のスピーチについて率直な意見を先生やクラスメイトからもらうことで、自分が自信を持っていいところ(ゆっくりと、大きな声で、明瞭に話すこと)と、今後改善すべきこと(論理のみに頼らず、ストーリーを盛り込むなどして、聞き手の感情に訴えること)について、指針を得ることができました。この授業のクラスメイトの中に、アメリカの軍人がいました。彼は30代後半で、ケネディスクールに派遣されているので、きっと軍人の中で幹部候補なのだと思います。彼が授業中に言っていた言葉で印象的だったのは、「これまでのキャリアで、自分の上司からはあまり有意義なフィードバックを得られなかった。しかも、軍隊のような階層の強い組織では、部下も遠慮して中々本音のフィードバックを言ってくれない。だから、この年になって、一年間の猶予をもらって、様々なバックグラウンドの同級生から率直なフィードバックを得られるのは、本当に得難い経験だ。」というものでした。彼のように組織で偉くなっていくと、周囲からフィードバックを得て、自分の仕事の仕方やスキルを見直すような機会が中々ないということなのだと思います。

 僕はまだギリギリ20代なのですが、30代になり、今後組織の中でのランクも上がっていったとすると、自分の成長につながるような、率直なフィードバックをもらえる機会がどんどん少なくなるのではないかと危惧しています。また、仕事の上での成功体験が徐々に積み重なることで、自分のやり方が絶対に正しいと思い込んでしまったり、それを他の人たちに押し付けてしまうおそれもあるように思います。実際、「30年以上生きていてあの性格なんだから、何を言っても変わらないでしょ。」というような言葉もよく耳にします。逆に、何歳になっても、組織で偉くなっても、周囲や時には自分より若い人たちの声を自ら積極的に受け入れようとしている人もいて、そういう人は素敵だと感じます。自分のこれまでのやり方に自信を持ちつつも、新しい発想や周囲からのフィードバックを柔軟かつ積極的に受け入れる姿勢を持ち続けたいと思いました。

2 今学期の授業
 今学期の授業は、昨年の秋学期の授業と比べ、自分の土地勘のない分野の授業が多いため、ついていくのに苦戦しています。その分、得られる知的な刺激や学びは多いと感じています。できればこのブログに、週に一回程度、その週に授業で何を学んだかを、短くてもいいので書き記す習慣をつけたいなと思っています。(なかなか時間がなくてできないのですが。。)

 先学期もそうでしたが、それぞれの授業が互いに連関していると感じることが多くあります。例えば、エネルギーの地政学の授業では、資源が豊富に取れる国(ベネズエラ、サウジアラビア、ナイジェリアなど)は、なぜ民主主義を採用しないのか、なぜ資源が取れない国(日本、韓国、チリなど)よりも経済成長率が低いのか(Resource Curseと呼ばれます)といったことを学んでいます。リーダーシップの授業では、大教室・小グループの組織構造・ダイナミクスを分析することで、どのタイミングでどのような発言・介入をすれば組織を動かすことができるか、また、どのようにすれば組織のメンバーを動員しながら真の課題の解決に取り組めるかを学んでいて、民主主義の理論と関連する部分があるのではないかと感じています。

 金融危機の授業では、学期を通じて一つの国を担当し、その国の金融政策やマクロ経済状況についてリサーチしていきます。僕は、ウクライナを担当することにしました。なぜウクライナにしたかというと、僕の最大の関心分野のエネルギーと、金融との結節点を学びたいと思ったからです。ウクライナは、国家財政の多くをエネルギー関連の収入に依存しているため、昨年夏からの原油価格の下落の影響を大きく受けやすい国です。また、ロシアから欧州へのガスのパイプラインはウクライナを経由するため、仮にウクライナが金融危機に陥れば、欧州経済や、そこから波及して日本やアメリカの経済にも悪影響が出ると考えました。もちろん、公的債務がGDPの200%を超える日本は金融危機に陥らないのかというテーマにも関心があるのですが、これについては、ケネディスクールの優秀な同級生が同じ授業を取っていて日本を担当するので、その方に色々と教えてもらおうと思っています。

3 その他課外活動
 授業以外の空き時間には、3月のジャパントリップの準備に加え、2月26日(木)にジャパンコーカスのイベントとして開催する「ジャパン101」というイベントの準備をしています。政治、経済、安全保障、文化の各分野について、ハーバード近辺で日本研究をしている先生方を招き、ディスカッションをするという内容です。ハーバード政治学部のダニエル・スミス(Daniel M. Smith)准教授や、ハーバード・ビジネススクールのイーサン・バーンスタイン(Ethan S. Bernstein)准教授などをお招きする予定です。企画は、ケネディスクールの同級生で会社の先輩でもある方が中心にやってくださっています。ケネディスクール内で日本に関する授業やイベントはほとんどなく、学生の間で日本について正しく理解されていないと感じることが多いので、こうしたイベントを通じて、きちんと発信していくことが大事だと思っています。

 あとは、今年の夏のインターンシップの選考も始まっていて、それにも時間が取られています。日本の就職活動などとは違って、正式にインターンを募集していないような機関や企業でも、人のコネクションを使ってインターンの機会を獲得していくというプロセスになります。僕は、2つの国際機関と1つの企業に、前職のつながりや、ケネディスクールの卒業生の方のつながりを活用して、アプローチをしています。その3つの組織であればどこでも喜んでインターンをしたいと思っています。3ヶ月強という長い夏休みを有意義に過ごせるよう、頑張りたいと思います。

140209 Snow Day
最近のケンブリッジの街中の様子です。雪が大きく積もり、除雪車が走行しています。
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Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

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