Entries

メガン・オサリバン教授とのオフィスアワー

 メガン・オサリバン教授とのオフィスアワーに行ってきました。もっと早い段階で行きたいと思っていたのですが、春学期前半はジャパントリップの準備で全く時間がなく、この時期に初めての訪問になりました。時間が押していて、15分ほどしか話ができず、あまり深い議論にならなかったのは残念ですが、以下、概要まで。またチャンスがあれば、オフィスアワーに行ければと思います。

Q.ケネディスクールでエネルギー政策をより深い知識を得るために、どのような授業を取るべきか。(エネルギー政策のうち、どのような点に主に興味があるか聞かれたので、「原子力」と答えました。)
A.原子力エネルギーであれば、Matt BunsとWill Tobyの原子力に関する授業が良いだろう。他には、ハーバード大学環境センターのウェブページに行けば、ハーバードで行われている様々な授業を見ることができる。David Keithは革新的なエネルギーや、ジオエンジニアリングについて面白い授業を行っている。Joe Aldyもエネルギー政策に関する授業を持っていて、おすすめ。

Q.教授の授業のファシリテーションにいつも感心している。ファシリテーションスキルやディスカッションのマネジメントに関するスキルを身につけるために、どのようなことを心がければよいか。
A.会議を運営する(Running a meeting)能力は極めて重要で、政府で働く上では必須のスキルだと思う。自分がいつもしてきたのは、優れた上司や他の人たちをよく観察して、そこからテクニックを盗むということ。使えるテクニックなどがあれば、メモをとって、自分のものにしていくとよいと思う。ケネディスクールの授業に関しては、会議の運営能力を直接鍛える授業は残念ながらないと思う。ただし、授業によっては、シミュレーションを積極的に取り入れて、学生に議長の役割をやらせるような授業がある。自分が秋学期にやる予定の意思決定(Decision Making)の授業は、そのようなシミュレーションを取り入れている。授業のシラバスをよく見て、会議の運営能力が鍛えられるようなエクササイズが含まれているかをチェックするといいと思う。

Q.日本のエネルギー政策について。原子力エネルギーにどれくらい依存すべきか。アメリカのLNGの輸出をどれくらい頼りにすることができるか。
A.原子力エネルギーについては、アメリカとしては日本は可能な限り原発を再稼働すべきだと信じているが、最後は日本の国内の問題だと思う。最後に決めるのは日本であって、アメリカではない。ただ、一般論として、一つのエネルギー源に頼ることなく、エネルギーを可能な限り多角化すべきというのは間違いない。
 アメリカのLNGの輸出をどれくらい頼りにできるかという点については、政治的な決定よりも、企業やマーケットが決定するものだと考えている。現在交渉中のTPPが仮に締結すれば、アメリカと日本との間の自由貿易協定とみなすことができ、アメリカから日本へのLNG輸出にいくらか助けになるとは思うが、それが全てではない。アメリカの天然ガス企業にとっては、日本のLNG市場の価格が、輸出を左右する重要なポイントである。仮に日本のLNG市場が10ドル程度であれば、太平洋を横断する輸送コストや液化・ガス化のためのインフラの建設コストも考慮すると、とても採算が合わないので、輸出しないという判断になるだろう。ただし、日本のLNG市場が10ドル程度になるということは、豪州やカタールからのLNGが次々と日本のマーケットに入ってきていることを意味するから、日本にとってはむしろ喜ばしいことだろう。仮に日本のLNG市場が10ドル台後半〜20ドル台になれば、アメリカの天然ガス企業として採算のメドも立つので、日本への輸出を決定するだろう。いずれのケースにおいても、アメリカからのLNG輸出が多い少ないに関わらず、日本は今後5〜10年はLNGの需要を満たすことができると思う。


 メガン・オサリバン教授は、ケネディスクールが輩出したい卒業生像にぴったり合う人だと感じています。つまり、学術的にもしっかりとしたバックグラウンドがあり、オリジナルで革新的な思考ができると同時に、議論をうまくマネージしたり、人を説得力ある言葉で動かすというソフトな面の両方を兼ね備えている人だということです。だからこそ、オサリバン教授は学生の間でも極めて人気が高く、毎年授業がビッディングにかけられるのだと思います。前者のアカデミックな面だけを強調しすぎると、自分の専門には強いがコミュニケーション力に欠けるような人になってしまうと思います。(全ての学者がそうだと言っている訳では全くありません。ただ、そうしたコミュンケーション力に欠ける学者も一定数いるのは事実かと思います。)逆に、後者のコミュニケーション力だけでも、中身のない、薄っぺらい人間になってしまい、人を説得的に動かしたり、意味のある事業や政策を推進していくことは難しくなってしまうと思います。オサリバン教授と話していても、ものすごい知識の深さや、頭の切れを感じる一方で、人当たりがよく、ユーモアを持っていて、人から好かれる要素を兼ね備えていると感じます。自分もこういう人になれるよう、日々努力していきたいと思っています。


メガン・オサリバン教授の別の授業に関する説明動画です。
Related Entries
Use trackback on this entry.
http://wearewhatwechoose.blog.fc2.com/tb.php/93-51fa0847

Trackbacks

Comments

Post a comment

Post a comment
Only the blog author may view the comment.

Appendix

プロフィール

tak

Author:tak
2014年8月より、ハーバード大学ケネディスクール(Harvard Kennedy School, HKS)に2年間留学しています。

HKSでは、エネルギー・環境政策や経済政策、交渉術、リーダーシップなどを学ぶ予定です。このブログでは、HKSでは何をどう教えているか、世界の政治経済分野のリーダーの考え方・習慣、英語学習の秘訣、その他日々の学び・感動を書き記したいと思います。

なお、このブログに書かれたことはすべて個人的見解によるものです。

最新トラックバック

ページビュー数

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR